日本の中央アルプスに位置する長野県 木曽平沢。
特別な日を祝う漆器を400年前から作り続けてきた集落。歩けば10分程度の小さな街並みに、最盛期には約80店舗の漆器工房が軒を連ね、中山道沿いの宿場町「奈良井宿」を拠点として日本全国へと漆器が販売されていた。
何気ない日常(ケの日)に寄り添う食器から始まった漆器づくり。
丁寧な仕上げでハレの日の席を華やげる器を、今も多くの職人が丹精込めて塗り仕上げている。職人たちは先代を踏襲するだけでなく、中にはガラスへの漆塗りを始めた工房もある。日々変化する人々の要望に応える技術も脈々と受け継がれている。
ハレの日を祝うために、ケの日を日々積み上げていく漆職人に出会いながら、地元に根付く食文化や自然を感じていただきます。
日本の深い山々に囲まれた谷間で400年前から漆器を作り続けた街、木曽平沢。需要の減少により工房が減っていく中、漆と向き合いながら伝統を守り続ける職人、革新を続ける職人に出会い、宿場町 奈良井宿の風景と食を楽しんでいただきます。
1994年からガラスと漆を組み合わせた新技法で製品を開発。今まで木製では使いにくかったレストランでも使いやすいボールやプレートを作りながら、特別な日はもちろん、日々の食卓でも使える漆器の新しいカタチを国内外へ伝えている。
昔ながらの漆器屋として約100年続く漆器店の4代目。裏の工房で漆器をつくり表の店舗で販売する昔ながらの形態は、この地域では当工房のみとなった。2016年からは漆器の材料となる漆を育て始め、集めた国産漆のみで漆器も制作している。
代々「玉水」の看板を繋いできた石本則男と、その伴侶でもある石本愛子。共に漆職人であり伝統工芸士でもある二人は、食器からオブジェ、壁面内装までさまざまな依頼に応じながら、漆の新しい可能性を常に求め、独創的な創作活動を続けている。